「テカるのにカサつく」肌はバランスの崩れが原因
朝は顔がベタつくのに、夜はカサカサする。
Tゾーンはテカるのに、頬はつっぱる──。
そんな“テカテカ乾燥肌”に悩む男性は少なくありません。
実はそれ、皮脂と水分のバランスが崩れているサイン。
つまり、脂が多すぎるのではなく、肌の中が乾いている(インナードライ)状態なんです。
薬剤師の視点から、このバランスの乱れが起こる理由と、整えるための正しいケア方法を解説します。
肌は「皮脂」と「水分」のWバランスでできている
健康な肌は、水分と皮脂のバランスで保たれています。
水分が角層をうるおし、皮脂膜がその水分を逃さないようにフタをする。
ところが、洗顔のしすぎや乾燥などで水分が不足すると、
肌は「乾燥している=守らなきゃ」と判断して、皮脂を過剰に分泌します。
その結果:
外はテカテカ、内側はカサカサ。
という、インナードライ肌が生まれます。
皮脂と水分のバランスが崩れる主な原因
| 原因 | 説明 |
|---|---|
| 洗いすぎ | 皮脂を取りすぎて、肌が乾燥→皮脂分泌が過剰に |
| 保湿不足 | 水分が逃げ、肌が乾燥して皮脂が増える |
| 紫外線 | 皮脂酸化を起こし、肌バリアを低下させる |
| 睡眠不足・ストレス | ホルモンバランスが乱れ、皮脂分泌が不安定に |
| 間違ったスキンケア | オイルフリー過信・アルコール系化粧品の使いすぎ |
バランスが崩れた肌の特徴
- 朝起きるとTゾーンがベタつく
- 洗顔後につっぱる
- 化粧水がすぐ乾く
- ニキビができやすいのに乾燥もする
これらが当てはまる場合は、“皮脂が多い”のではなく“水分が足りていない”可能性が高いです。
皮脂と水分のバランスを整える3つのケア方法
① やさしく洗顔して落としすぎない
テカリが気になるからといって、ゴシゴシ洗顔はNG。
1日2回までを目安に、泡で包み込むように洗うのがポイントです。
アミノ酸系や弱酸性タイプの洗顔料を選びましょう。
② 洗顔後すぐに保湿する
洗った直後の肌は水分が急速に蒸発します。
化粧水 → 乳液(またはジェル)の2ステップで、水分と油分の両方を補給。
おすすめの成分は:
- 化粧水:ヒアルロン酸、アミノ酸、グリセリン
- 乳液・ジェル:セラミド、スクワラン、ナイアシンアミド
③ 紫外線ケアを毎日する
紫外線は皮脂を酸化させ、肌のバリア機能を破壊します。
日焼け止めを“保湿ケアの一部”として考えることが重要です。
SPF30前後・ノンコメドジェニック処方のものがおすすめ。
薬剤師が教える「インナードライ改善の近道」
皮脂と水分のバランスを整えるには、
「落とす」「与える」「守る」の3ステップが基本です。
| ステップ | 目的 | ケアポイント |
|---|---|---|
| 落とす | 適度に皮脂を落とす | 朝晩の泡洗顔、ぬるま湯で洗う |
| 与える | 水分と油分を補給 | 化粧水+乳液(またはオールインワン) |
| 守る | 紫外線・乾燥を防ぐ | 日焼け止め・加湿・生活習慣改善 |
たったこれだけでも、数週間で肌の調子が安定してくるケースが多いです。
薬剤師からのアドバイス
テカリを抑えようとして“皮脂を悪者扱い”する方もいますが、
皮脂は本来、肌を守る天然の保湿クリームです。
重要なのは、皮脂を適度に保ち、水分を逃がさない肌をつくること。
スキンケアの目的は「脂を減らす」ことではなく、
水分を補って、肌のバリアを正常に働かせることなんです。
まとめ
「テカるのに乾燥する」肌の正体は、皮脂と水分のバランスの乱れ。
正しく洗い、しっかり保湿し、紫外線から守ることで、
肌本来のバランスは自然と整っていきます。
“ベタつくけど乾く”という悩みを感じたら、
まずは「皮脂より水分」を意識したケアを始めてみてください。
コメント