バリア機能って何?敏感肌との関係を薬剤師がやさしく解説

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肌を守る“見えない盾”がバリア機能

肌の健康を語るときによく出てくる言葉が「バリア機能」。
でも実際に「バリアって何のこと?」と聞かれると、答えに迷う方も多いのではないでしょうか。

薬剤師の視点から簡単に言えば、バリア機能とは
“肌を外の刺激から守り、水分を逃がさない仕組み”のこと。
このバリアが弱まると、肌は一気に刺激に敏感になり、乾燥や赤み、かゆみなどのトラブルを起こしやすくなります。

肌のバリア機能はどこにある?

私たちの肌は「表皮」「真皮」「皮下組織」という3つの層でできています。
このうち、バリア機能を担っているのは**表皮の一番外側にある“角層(かくそう)”**です。

角層は、

  • 角質細胞(肌のレンガ)
  • 細胞間脂質(セラミドなど、レンガをつなぐ接着剤)
  • 皮脂膜(水分の蒸発を防ぐ薄い油膜)

の3つが組み合わさって、まるで「レンガの壁」のように外界から肌を守っています。

この壁が整っていれば、
・ホコリや花粉、紫外線などの刺激をブロックし
・肌内部の水分を逃さずキープする

という2つの働きを果たします。

バリア機能が低下するとどうなる?

角層の構造が崩れると、肌を守る“壁”にすき間ができてしまいます。
すると外からの刺激が直接入り込み、内側の水分はどんどん蒸発。

結果として、以下のようなトラブルが起きやすくなります👇

  • 肌のつっぱり・乾燥感
  • 赤み・かゆみ・ピリつき
  • 化粧品がしみる
  • 髭剃り後のヒリヒリ感が強い

これが、いわゆる「敏感肌」の状態。
つまり、敏感肌=バリア機能が低下した肌なのです。

バリア機能が弱まる原因

現代の生活習慣の中には、バリア機能を壊す要因がたくさんあります。

原因説明
乾燥エアコンや紫外線で角層の水分が失われる
洗いすぎ強い洗顔料・クレンジングで皮脂膜を落としすぎる
摩擦タオルや髭剃りなどの物理的刺激
睡眠不足・ストレス肌の新陳代謝(ターンオーバー)を乱す
加齢セラミドや皮脂分泌量の低下による保湿力の減少

これらが積み重なると、肌が慢性的に乾燥して「外からの刺激に弱い状態」が続いてしまいます。

バリア機能を守る・高める方法

① やさしく洗う

ゴシゴシ洗いは禁物。
洗顔料は泡で包むように洗い、ぬるま湯でやさしく流すのがポイントです。
皮脂を落としすぎない弱酸性タイプの洗顔料を選びましょう。

② しっかり保湿する

洗顔後5分以内に化粧水・乳液・クリームなどで保湿を。
セラミド・ヒアルロン酸・グリセリンなどの保湿成分が入ったアイテムがおすすめです。

③ 紫外線を防ぐ

紫外線はバリア機能を直接破壊します。
曇りの日や冬でも、SPF30程度の日焼け止めを毎日使う習慣をつけましょう。

④ 生活リズムを整える

睡眠中に肌の再生(ターンオーバー)が進むため、
睡眠の質を上げること=バリア機能を整えることにつながります。

薬剤師からのアドバイス

敏感肌の多くは「生まれつきの体質」ではなく、
生活習慣やスキンケアの積み重ねでバリア機能が弱まった結果です。

一度壊れたバリア機能も、正しいケアで徐々に回復していきます。
やさしく洗って、しっかり保湿して、紫外線から守る──
この3つを意識するだけで、肌は驚くほど変わります。

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この記事を書いた人

薬剤師として働きながら、男性のスキンケア・身だしなみケアの情報を発信しています。
「何から始めたらいいの?」「面倒だけどちゃんとしたい」そんな方に向けて、薬剤師ならではの視点でわかりやすく解説していきます。
男性でも、自分の肌を大切にしたい時代。忙しい中でも続けやすいケア方法をご紹介していきます!

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